『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である』
中島聡
ちょっと前に電車の広告で見て、気になったので買ってしまいました。
元マイクロソフトにいた中島さんが書かれた時間術の本ですが、なかなか面白いことが書かれています。特にプログラマーやってる人なんかは、この本に書かれていることが、「うん、うん、そうだよね。」っていう感じで理解できるんじゃないかと思います。
たとえば、冒頭の”「終わらない仕事」はこうなっている” のところに出てくるA君の話なんか、ほんとにこういうことあるよなって思って読んでしまいました。
まだ時間があるから頼まれた仕事はとりあえず後にして今やってる仕事を終わらせよう。でもそうしているうちに割り込みの仕事が入ってきたりして、結局徹夜しても終わらない。なんてことよくありますよねー。とくに若いうちは。
まあ、自分なんかはいい年なんで、もうそういうミスはしないんですけど、逆に体力的にきつくてやる気が出ないということはしょっちゅうあります。(汗)
じゃあ、そういうA君みたいに締め切りに間に合わない人がどうすればいいかというと、それは「2:8」の法則で働けばいいそうです。
「2:8」の法則が具体的にどういうものかは、本書を読んでいただきたいと思いますが、簡単にいうとロケットスタートで一気に8割終わらせて、残りの2割をゆっくり終わらせるというものです。
自分は読んで「なるほど!」と思ってしまいましたが、思い返せば自分も同じようなことやってたなって思いました。とくにプログラミングで最初に一気に全体の大枠を作って、あとから細かい枝葉の機能を作っていくということをやってますね。(えっ、みんなやってる?普通のこと?(汗) )
あと、ちなみにこの本、中島さんのマイクロソフト時代のWindows95の開発秘話なんかも載っています。自分としては、そっちのほうが面白くてわくわくして読んでしまいました。
当時、Windows95の開発には2つのチームがあって競い合っていたらしいんですが、1つは、カイロといってスタンフォード大学の博士号をとったような人たちの集団で、もう1つはシカゴといって、ハッカーを寄せ集めた職人集団のようなチームだったらしいんです。中島さんは、最初カイロにいたらしいのですが、退屈なミーティングが多くて嫌で、上司と喧嘩したのをきっかけにシカゴに移ったらしいです。
面白いと思ったのは、マイクロソフトが社内に2つグループがあって競い合ってることに何も言わなかったってことです。どちらも目指してるところは同じなのに、2つもグループがあるっていうのは、ふつうに考えたら無駄ですよね。いっしょに協力してやれって言いたくなりますよね。
それで、どっちの案を採用するかをビル・ゲイツが決めるんですけど、たった3分で決めたらしいんです。4年にわたって開発してきた400人を超える大所帯のカイロの解散をたった3分で。しかもコアな技術者が30人ぐらいしかいないハッカー集団のシカゴに社の命運をかけたんですよ。
さすがだと思いますね。なかなか4年間やってきたプロジェクトを解散させるなんて簡単にできないですよ。おそらくこのときビル・ゲイツにはどっちが成功するかすぐに判断がついたんでしょうね。やっぱ、社長ですからね。情に流されてはいけないんですよね。社員の生活がかかってますから。だからあれだけのWindows95の爆発的ヒットにつながったんでしょうね。
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